HEADの「スピード」といえばジョコビッチの偉業を支えてきたラケットで、HEADラケットの中でも長い歴史を持つシリーズとなりました。
今ではジョコビッチだけではなく、若手のシナー選手なども愛用していて、トッププロの中でも人気を得ています。
本記事ではそのSPEEDが初代からこれまでどんな進化を遂げてきたのか、整理してまとめてみたいと思います。
目次
①ユーテック スピード
2009年からジョコビッチが使用開始した、初代SPEED。
初代のスピードプロは、重量「335g」フレーム厚「18mm」とかなりのやんちゃスペック。
ジョコビッチ無双の原点がここから始まります。
②ユーテック IG スピード
2代目になると、インネグラ(IG)という素材を追加し、衝撃緩和による打球感の向上とコントロール性が向上させることに成功。
このラケットになってからジョコビッチは覚醒モードに突入。
2011年に年間3つのグランドスラム制覇を達成します。
(どんでもないことなのに今や「またジョコか」と我々の感覚まで麻痺させてしまう実績です。)
③ユーテック グラフィン スピード
いよいよヘッドラケットにグラフィンが搭載され始めます。
グラフィンとは以下のような特徴があります。
炭素原子のみからなるシート状の物質です。
炭素原子が互いに結合することで六角形のハニカム構造を作り、それが二次元状に広がった構造を形成しています。高さ方向には秩序を持っていませんので、炭素原子1個分の厚みしかありません。そのため、非常に薄くて強い性質を持っています。
今のヘッドラケットの源になってるグラフィンはこの頃(2013年頃)から搭載され始めました。
このモデルからフレーム厚が22mmに変更になったことも重要な変更ポイントですね。
④グラフィンXTスピード
グラフィンが「より軽くより強く」進化したモデルです。
強いインパクトをした時に感じる、身の詰まった打球感が気持ちよかったのを鮮明に覚えています。
この頃からズべレフが頭角を現し、このスピードシリーズを使っていました。(今はグラビティシリーズを使っています)
⑤グラフィンタッチ スピード
グラフィンを用いたことで、ラケットの剛性(パワー)は高まったので、ネクストステージとして「打球感」の向上を図ったのがこのモデル「グラフィンタッチ」です。
インパクトで生じる振動を少なくし、不快感を抑えることに成功しました。
⑥グラフィン360 スピード
シャフト部分にのみ搭載されていたグラフィンをフレームの「12時」「3時」「9時」部分にも載せて、360度グラフィンを使用したモデルとなります。
またこのモデルからフレーム厚が23mm(1mm厚くなった)に変わったり、ストリングパターンが変更(目が粗くなった)になりました。
⑦グラフィン360+ スピード
360度のグラフィンに加え、「5時」「7時」の部分にスパイラルファイバーを搭載。
インパクト時にスパイラルファイバーが伸縮することで復元が早くなり、面安定性がより向上しました。
スペック(数値)上の変更は入っていません。
⑧スピード(オーセチック)
本記事作成時の最新版が、オーセチックを搭載したスピードです。
オーセチックとは素材ではなく、構造の名前。
シャフト部をオーセチック構造にすることで、ボールインパクト時の衝撃に対し、フレームの変形を均一化してくれます。
使用者としてはスイートエリアが広がったような感覚を得ることができるテクノロジーです。
参考情報
オーセチック搭載スピードの「Black Edition」が発売されます。
これがまたかっこいい!
性能は変わりませんが、他の人とちょっと違うスピードでプレーしたい方は要チェックです!!
クーポン使うと結構お得になりますよ。
まとめ
以上、スピードの歴史をたどってみました。
癖が少なく、バランスの良いラケットでプレースタイルを選ばないのが魅力です。
今後も進化にも注目していきたいと思います。