By: Charlie Cowins
テニスで相手コートに安定してボールを入れる為には、トップスピンが非常に重要になってきます。
最近はラケットの性能が上がり、ボールが飛びやすくなっていることもあり、トップスピンを習得しないと、バックネットにライナーで直撃なんていうことも珍しくありません。
かといってコートに入れる為、力加減をしながらそっと打つようではテニスの楽しさが半減してしまいます。
テニスを存分に楽しむため、しっかり振ってちゃんとコートに入れるトップスピンの打ち方、コツ、上達方法についてまとめてみたいと思います。
トップスピンとは
図の通り進行方向に向かって順回転をかけることをトップスピンと呼びます。
この回転をかけることで空気抵抗が発生しボールを下に落とす力が生まれコートへ入り易くなります。
卓球のドライブと同じイメージです。
トップスピンのメリット
図は回転量によるボールの特徴(弾道)を誇張表現したものです。
トップスピンはネットの高いところを通しても空気抵抗でボールが落ちるので、「ネットしにくくアウトもしにくい」ボールを打つことができ、安定感を得ることができるメリットがあります。
また、バウンド後も弾むので少し浅くなっても攻め込まれにくいというメリットもあります
トップスピンの打ち方とコツ
打ち方
- ラケットをボールの下へセット
- ラケットを斜め上に放り投げるイメージで振る
- 刀を鞘へしまうようにフィニッシュは腰の位置で
ラケットを低い位置にセットし、そこから斜め上に振り上げることで順回転をかけます。
腕力で振り上げるイメージよりもラケットを斜め上へ放り投げるイメージの方が腕の脱力へ繋がり、効率良く回転を変えることができます。
フィニッシュを腰の位置へ持ってくるのも、腕力ではなく、放り投げた後の惰性です。
解説動画はこちら
よくワイパースイングと呼ばれる打ち方ですね。
フィニッシュは絶対に腰の位置でなければいけないというわけではないので、違和感があれば肩口でフィニッシュでも問題ないと思います。
ワイパースイングについて詳しく追求したい方はこちらがおすすめ!
トップスピンのコツ
トップスピンの原理(回転のかけ方や理屈)が理解できてくると、回転をかける為、面を伏せてボールの上付近を撫でるように打とうとしてしまう人がいるかと思います。(以前の私がそうでした)
このように回転をかける意識だと当たりが薄くなって推進力が生まれず、バウンド後に伸びがない相手にとって打ちごろの球を提供することになってしまいます。
バウンド後に伸びのある球を打つには、ボールを厚く捉えることが重要です。
厚い当たりのイメージ
ボールの弾道に対して垂直にラケットを入れることでボールの芯を捉えることができ推進力が生まれます。薄い当たり(ボールの表面を撫でるような当たり)では推進力を生むことができません。
参考動画
厚い当たりで回転をかける方法について、みんラボ駒田研究員が非常にわかりやすく解説してくれている動画をご紹介します。
トップスピンに適したグリップの握り方
グリップは厚めに握った方がボールに負けにくく、回転がかけやすいので、セミウエスタン〜ウエスタンで持つことをお勧めします。
グリップが薄めでトップスピンが苦手という方は厚めに握ってみると感覚が変わるかもしれません。
関連記事:フォアハンドグリップの握り方 種類と最適なショット おすすめは?
トップスピン上達方法
初心者/初級者の方は順回転をかける感覚を身につけるため、ショートラリーでゆったりとした球で練習しましょう。最初にボールを擦る感覚を養いたいのですが、1つ注意点があります。
ショートラリーだとボールの勢いがないので、手首や肘だけの操作で回転を掛けられてしまうのですが、ロングラリーで同じように末端操作で回転をかけると試合で感覚が狂ってきた時に修正ができなくなったり、怪我の元にもなってしまいます。
腕は脱力して腰の捻り戻しの惰性で振られるようにすることを徹底すると、崩れにくく怪我をしにくい安定感のあるショットが身につくと思います。
ある程度回転の感覚が掴めてきた方は、厚い当たりと薄い当たりの打ち分けを練習して行きましょう。
相手がネットへ出てきた時に足元へ落とす場合は、薄く当てて勢いを殺しボレーを打たせにくくするような技術も必要なので、そのような場合はボールの真後ろを捉えるのではなく、ボールを撫でるように打つこともできるとプレーの幅が広がります。
経験上、薄い当たりから厚い当たりを習得するのは非常に苦労するので、まずは基本である厚い当たりのスピンを習得することをおすすめします。
まとめ
トップスピンの概念と打ち方についてまとめてみました。
トップスピンはテニスで最初に覚えるスキルですが、回転のかけ方を間違った概念で習得してしまうとボールの質が上がらなかったり、プレーの幅が制限されてしまったりと、もったいないことだらけです。
本記事が100%正しいというわけではないですが、スピン習得のヒントになれば幸いです。