フォアハンドの威力を出すために欠かすことのできないプロネーション。
プロネーションがうまく使えるとスイングスピードを上げることができ、回転の効いた強烈なフォアハンドを打つことが可能になります。
現在のジュニア選手を見ると私が若い頃のようなスイング軌道ではなく、プロネーションを活かしてすごいボールを打っています。
ラケットの反発力が増し、軽量化されてきたことに伴って技術も変化しているんですね。
おっさんも置いていかれないように奮闘しています。
前回の練習で「高い打点」で打つ時に効率的なスイング(プロネーション)を誘発できるヒントを得ることができたので、プロネーションの基礎から今回掴んだヒントまでをまとまてみたいと思います。
昔ながらのスイングから抜けられないという方のヒントになるかも!?
プロネーションとは?
プロネーションとは簡単にいうと腕の回内運動で、フォアハンド以外にサービスでも重要な技術になります。
なんかすごく難しそうな技術に感じるかもしれませんが、身体の動かし方はめちゃ単純です。
この蛇口を開ける時「反時計回り」に腕を捻りますね。
その動きが腕の回内でプロネーションです。
これをテニスに応用すると、
- サービス
- フォアハンド
これらのショットでスイングスピードを上げるための重要な要素となります。
サービスとフォアハンドの違い
同じ回内運動をするサービスとフォアハンドですが、サービスに比べフォアハンドの方が様々な高さの打点で打つ必要があるため、状況に合わせた適切なスイングをしなければなりません。
腰の高さで良いボールが打てるスイングだけでは低い球や高い球には対応できないということです。
フォアハンドプロネーションの基本
先ほどご紹介したプロネーションの動きを実際にラケットを持ってやってみると、「バイバイ」をするような動きになると思います。
これが「ワイパースイング」の基本になります。
ただこのままでは薄い当たりになってしまい、回転過多で推進力のない「カスカス」なボールしか飛ばせません。
テニス初心者の方で回転をかける感覚が掴めていない場合、薄い当たりで引っ掛ける感覚を養う良い練習になります。
推進力を出すためには、肘を前へ出しボールにパンチを加えることが必要になります。
推進力を出す為の1つのコツとしてフォワードスイング開始時にラケットを下げ過ぎないということがあげられます。
ラケットが下がればその分アッパースイング(上へのスイング)になってしまい、推進力を出しにくくなってしまいます。
なので、打点と同じ位の高さにテイクバックしてあげて、手首を落とさずにフォワードスイングを始めると肘が素直に前へ出しやすくなり、簡単に推進力を出すことができるようになると思います。
この推進力と回転量をミックスさせて質の高い安定したショットを打つことができます。
私の場合、腰の高さくらいで打つボールは肩口の高さでフォロスルーを終えると回転と推進力のバランスが取れたショットが打てている感覚があります。
高い打点でプロネーションを活かすためのヒント
今週友人との基礎練でビデオ撮影をしながらフォームを確認していたところ、高い打点のフォアハンドでプロネーションが活かせてないというか、使い方が間違っているというか、要はダメダメなフォームで打っている自分が写っていました。
叩くショットに適したスイング(プロネーション)ではなかったんです。
腰の高さのボールを打つ感覚のまま、高い打点のボールを叩こうとしてしまうと、
- ボールが飛びすぎてアウト
- 回転を多くかけて入れにいく
ということになってしまいます。
動画に映っていた自分は、スイングスピードを上げようと必死に振ってるけど大した威力のないボール(回転ばかりで推進力がない)と、ボールが抑えきれずに大きくアウトしているボールばかり・・・
たまに良いボールもありましたが、確率が低すぎます。
同じメニューをした友人は、それほど一生懸命スイングしているようには見えないもののボールを潰す良い音を奏でながら安定して叩き込んでいます。
あまりにも精度が違うのでちょっと聞いてみました。
うーん・・・
フィニッシュの時もっと下に振り抜いた方がいいかもしれないっすね
下かー、こういう感じ?
はい、そんな感じ。
高い打点の時はそれくらいにした方がボールを叩けると思います。
実は僕も昔先輩に言われたことがあって、これを意識して改良しました。
マジっすか。
ちょっとやってみます。
フィニッシュを下にする内部意識の結果
というわけで、「下にフィニッシュする」内部意識で同じメニュー(高い打点からの打ち込み練習)を実施してみました。
まず、これまでと比べめちゃめちゃ振り抜きがスムーズになりました。
スムーズに振れているのでヘッドスピードも上がっていると思います。
下へ振りぬく意識がある為テイクバックが高くなり、肩口くらいの高さのボールに対しても厚く捕らえることが可能になりました。
今まであんなに苦労していたのが嘘のように、「簡単」に感じます。
ビデオを見返すとスイングがコンパクトに変わっていて、無駄(ぎくしゃくした感じ)が削がれたように見えました。
当然ショットの確率も上昇。
私的にはこの内部意識は大当たりです。
次の写真はジョコビッチ選手が高い打点のフォアハンドを打ったときの打ち終わりです。
通常の高さのストロークでは肩上にフォロースルーをとることが多いジョコビッチ選手もボールを叩く時は下にフォロスルーをとっていることがわかります。
ボールの高さによって適したフォロースルーがあるんですね。
今更ですがやっと気がつくことができました。
まとめ
フォアハンドのプロネーションの基本と高い打点の球を叩くときに有効(だと思う)な内部意識についてのまとめでした。
もしかするとこの意識は基本中の基本なのかもしれませんが、私的には大きな発見でした。
まだ基礎練習で確認できたレベルなのでこれから実戦に取り入れて使えるようにしていきたいと思います。
ボールの高さと自分のポジションの見極めがポイントになりそうです。
本記事が「フォアハンドを叩くのが苦手だ」という方のヒントになれば幸いです。
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フォアの高いボールが苦手すぎるんだけど、フォームで変な部分あります?