ピュアドライブ同様、バボララケットの代名詞となっているピュアアエロ。
2022年に登場したモデルで、リネーム前の前身から合わせて7代目となります。
もともとは「アエロプロドライブ」という名称でしたが、2016年モデルから現在の「ピュアアエロ」に変更となっています。
皆さんご存じの通り爆発的人気を誇るラケットで、やはり「攻撃的スピン」が打てるというところが人気の秘密です。
かつてスピンといえば確率良くいれるための「守備的」なボールでしたがその概念を覆したのがアエロを振り回すナダル選手です。
(本記事執筆時点で)全仏14回、グランドスラムを22回制した武器がこのアエロです。
本記事ではそんなアエロがいつ登場してどんな進化を遂げてきたのか整理してまとめてみたいと思います。
目次
アエロプロドライブ(2004年モデル)
実際に発売されたのは2005年となります。
アエロプロドライブの前モデルとして、アエロツアーというラケットが作られていて、シャフト部の形状をブーメラン型のアエロビームにすることで空気抵抗が大きく低減できることを発見。
アエロツアーは一般人には使いこなせないほど硬くホールド感がなかったようで、そこにバボラオリジナルの技術「ウーファー」を搭載。
こうすることで、ストリングのダンピングが生まれ、ホールド感を出すことに成功し、一般発売に至ったという経緯があります。
2005年の全仏を制したナダル、スピードとスピンを両立したショットで世界を驚かせました。
2代目アエロプロドライブ(2007年モデル)
2代目では「不快な振動を取り除く」コアテックステクノロジーが搭載されました。
硬めのフレームから生まれる金属的なカンカンしたような打球感をコアテックステクノロジーでマイルドにした、ちょっとわるくいうとぼやかしたような打球感に変わりました。
3代目アエロプロドライブ(2010年モデル)
素材にGT(グラファイトタングステン)を使用して面安定性を高めたモデルです。
そうすることで、ウーファーとの相性がよく2007年モデルよりもスイートエリアを拡大することに成功しました。
4代目アエロプロドライブ(2013年モデル)
このラケットは本当に人気がありましたよね。
国内の販売量でNo1にもなりました。
いまだに使っている人もいます。
4代目ではコアテックステクノロジーが進化して「コアテックス・アクティブテクノロジー」が採用されました。
振動吸収パーツの面積が拡大され、不快な振動を徹底的に除去。
トッププロでもこのモデルに惚れ込みこんなツイートをした選手も。
Is there any shop in the world still having some stock of this racket grip size 3 or 4 ?? pic.twitter.com/eB1wPFa79W
— Adrian Mannarino (@AdrianMannarino) October 6, 2017
サウスポーのマナリノ選手です。
無理のないテニスで一般プレーヤーにも参考になるプレーで、個人的に結構好きな選手です。
このtweetは2017年10月に投稿されたもので、アエロは次のピュアアエロになっていましたがマナリノ選手は2013年モデルを使い続けていました。
マナリノ選手特集記事に2017年楽天オープンの練習風景動画を張っていますが、2013年モデルで打っています。
ピュアアエロ(2016年モデル)
2016年モデルから「ピュアアエロ」と名称が変更。
アエロプロドライブの成功で満足せずに、原点から見直してさらなる進化を遂げました。
フレーム形状から見直し、アエロモジューラー3へと改良。
この改良にはレーシングの空気抵抗を専門とする会社とタイアップして開発されました。
これまではウーファーがむき出しでしたが、これでは空気抵抗が大きくなってしまうとのことで、内蔵型ウーファーに変わりました。
このモデルから本ブログでもインプレを紹介しています。
2代目ピュアアエロ(2019年モデル)
ピュアアエロとして2代目となる2019年モデルは、2016年モデルに以下のテクノロジーを追加搭載しています。
フランスの「CHOMARAT社」から次世代カーボン「C-PLYカーボン」の提供を受け、シャフト部に搭載。
この恩恵でより面安定性が向上。
もう1つ、高度な振動対策技術を持つ「SMAC社」の技術提供を受けコアテックスピュアフィールと呼ばれる振動減衰素材をフレームの3時と9時の位置に配置。
打球感を柔らかくすることに成功しました。
2016年より明らかに柔らかくなりましたよね。
3代目ピュアアエロ(2022年モデル)
そして最新の2022年モデル。
- ストリングパターンのセンターフォーカス
- FLAX(亜麻)シートの搭載
2019年モデルからの大きな変更は上記2つ。
実際に打ってみて打球感がこれまでになく「しっとり」していて、ボールの食いつき、飛び(パワー)もちょうど良い。
相当打ちやすい!ということで、メインで使ってみることにしました。
アエロ使いになりました。
今作の打球感は好みです。
諸先輩の方々、よろしくお願い致します pic.twitter.com/X24PabvXcx
— (@MtRyomei) October 8, 2022
硬さが苦手でずっと敬遠していましたが、2022年モデルは違いました!
おすすめです。
まとめ
以上、人気ラケットピュアアエロの歴史を辿ってみました。
改めてほぼナダルの歴史だな、という感じでしたが、アルカラスの登場でアエロはさらに進化していきそうな予感がします。
どんな進化を遂げていくのか、非常に楽しみですね。
大人気ラケットで興味があったのですが、試打してみて「硬い。。無理」となってしまい使用するには至りませんでした。