サービスって威力を出そうとか切れを出そうとして一生懸命打てば打つ程、(初速は出ても)バウンド後の伸びがなく、相手にとって打ち頃になる傾向がありますよね。
そういう時は、腕のパワーに頼っていて下半身のパワーを伝えられていないことが多いです。俗に言う「運動連鎖ができていない」状況。
本投稿では「運動連鎖」のイメージが掴みやすい理想的なフォームでサービスを打つ、ジル・ミュラー選手を例にとり、キレッキレのサーブを打つ為のポイントを確認したいと思います。
ジル・ミュラー選手プロフィール
- 身長:193cm
- 体重:92kg
- 国籍:ルクセンブルク
- 単最高位:21位
- 利き腕:左 (両手バック)
グランドスラム等のビッグタイトルをとっていないので、日本ではコアなファン以外知られていないかもしれませんが、2017年ウィンブルドン4回戦でナダルに勝った、世界最高レベルのサービスを放つ選手です。
そのサービスを武器にサーブ&ボレーでポイントを奪うプレーを得意としています。
ジル・ミュラー選手の2017年サービスゲームStats
ATPツアーの公式サイトにあるこちらのStatsから2017年のサービスゲームについて情報を拾いました。
サービスゲームキープ率ランキング
堂々の6位にランクしています。
1stサービスポイント取得率ランキング
1stサービスが入った時のポイント取得率は3位です。
1試合当たりのサービスエースランキング
こちらも3位という結果です。
これらの結果からサービスが良い選手だということはお分かりいただけると思います。
ミュラー選手は193cmと長身ですが、上記のランキング全て1位の某カルロビッチ選手よりは20cm近く小さいし、こっち寄りと言っちゃこっち寄りですw(きっと某カルロビッチはプロ選手の中でも異次元なんだろうなぁ・・・)
ミュラー選手の動画紹介
では、どんなフォームでどんなサービスを放つかについて実際の動画で確認していきたいと思います。
2017 ウィンブルドン4回戦 ミュラーvsナダル
2017 リコーオープンSF ミュラーvsズベレフ
6月にウィンブルドン前哨戦としてオランダで開かれるATP250大会での一戦です。
ミュラー本人へサービスのポイントをインタビュー
インタビュー動画のリンクはこちらです。
- 高い位置で打てるように正確にトスを上げる
- スピードに意識はおいていない
- 正しい打点で正しい回転をかける
多分こんな感じのことを言っています。(違ったらすみません)
ミュラーのサービスで参考にしたい3ポイント
ご紹介した動画をご覧いただくと分かる通り、バウンド後の伸びが尋常じゃありません。
それを実現している大事なポイントを挙げてみます。
- 体幹の捻りを使った下半身のタメ
先ほどのインタビュー動画でミュラー本人が地面からのパワーをボールに伝える為に腰のローテーションさせていると語っています。(多分)捻り具合も極端ではなく、我々アマチュアにも参考になるものだと思います。
サンプラスのような捻りは凡人には不可能ですからね・・・
ただ膝を曲げるだけではなく体幹の捻りを加えることで、溜めた力をより効率的にボールへ伝えることがでるので、自分の筋力にあった適度な「捻り具合」を見つけましょう。
- 高い肘の位置
上下の肩の動きが少ないことも特徴です。肘が高い位置にセットされ肩がスムーズに回っていることが分かると思います。スムーズに回るということは運動連鎖のロスもなくなるということにもつながります。
さらに、肩への負担も軽減されるので、サービスで肩が痛くなるという人に特におすすめします。
- 脱力した鞭のようなスイング
トロフィーポーズからインパクト、フォロースルーにかけて力が入っている様子が全くみられません。下半身のパワーをボールにぶつけきっているのでバウンド後も失速せず伸びるのでしょう。
本人も語っていた「スピードを意識しない」ことが一つのコツかもしれませんね。
サービスのキレを生む回転のかけ方
下半身のパワーを伝えられても、回転のかけ方(インパクトでボールにどう触れるか)が残念だと、変化はするけどキレがなく簡単に返されちゃうサービスとなってしまいます。
キレを生む回転のかけ方はこちらの記事にまとめていますので、よろしければ読んでみて下さい。
まとめ
非常に綺麗なサービスを打つミュラー選手のサービスを特集してみました。
193cmとデカいですが、フォームは我々アマチュアにも参考になる点が満載ですので、チェックしてみて下さい。
サービスが苦手という方のお役に立てば幸いです。
おまけ
2018年4月現在、ミュラー選手はwilsonのULTRAシリーズを使用しています。
ULTRAシリーズのインプレはこちらです。