私がテニスを始めた約25年前と比べると、ラケットの選択肢が圧倒的に増えています。
増えた要因として、ラケットラインナップの充実が挙げられます。
昔は1機種に「MIDサイズ」と「OVERサイズ」くらいしかなくて簡単に選ぶことができました。
しかし、今は「100」とか「PRO」とか「MP」とか「Tour」とか「S」とか同じ機種から様々なスペックのラケットが発売されていて、選ぶのが難しくなってきています。
メーカーとしては、「ユーザーに選択肢を増やしてよりマッチするラケットを使ってもらいたい」という親切心からたくさんの種類を作ってくれているのだとは思いますが、選ぶ側は色々目移りしてちょっと困ってしまいます・・
そういうわけで、本記事ではラケットを選ぶ上で外せない、
- 確認すべきポイント(スペック)
- スペックの違いでどのような影響があるのか
について掘り下げてみたいと思います。
ラケット選びでお悩みの方は是非読んでみて下さい。
1.フェース面積
フェースが大きいほどストリングの撓みが大きくなり、よく飛んで勢いのある球が打てます。
逆に小さいと、飛びが抑えられてコントロール性が上がります。
また、空気抵抗が減るためスイングしやすいものが多いです。
このような特徴から、パワーのある上級者ほど面の小さなラケットを好む傾向があります。
一般に販売されているもののほとんどが、95平方inc-107平方incで、その中でも人気なのが、
- 97平方inc
- 98平方inc
- 100平方inc
です。
【興味本位のアンケート】
皆さんが今メインで使っているラケットのフェースサイズっていくつですか?
現在のトレンドを把握したく…
お時間があったらご協力をお願い致します
— ryomei (@MtRyomei) September 3, 2019
SNSのアンケートでもご覧の人気っぷりです。
2.重量
280g-320gのものがほとんどで、中間である300gのラケットが人気です。
ラケットは軽い方が操作がしやすく、初心者や腕力のない女性に向いています。
重いラケットになるほど、
- 飛びが抑えられている
- 相手の強い・速いボールに打ち負けない
と言われていて、上級者に好まれています。
ただ、テニスは「ラケットを振る」スポーツなので、単純な重量だけでは操作性を評価することができません。
次に挙げるバランスと合わせて考える必要があります。
3.バランス
ラケットのどの位置に重心があるかを指しています。
305mm-330mm
が一般的です。
数値が大きいほど「トップヘビー」(ラケットヘッド寄りにバランスがある状態)になり、遠心力が働くようになります。
「パワーがあるラケット」と表現されることもあります。
- 重量の軽いラケットは「トップヘビー」にして当たり負けないパワーを
- 重量の重いラケットは「トップライト」にして操作性を
という調整がされています。
4.スイングウェイト
上述の「重量」と「バランス」を合わせてスイングした時の重さの目安を指します。
プレーをする上では重要な数値なのですが、限られたメーカーしか公開していません・・
ショップによっては計測をしてくれるので、拘りがあれば測定をお願いしてみると良いと思います。
例えば、
試しに買ったラケットが非常に良い!もう一本買おう
と決心した時に、「これに近いスイングウェイトのもの」と注文すれば、ほぼ同じフィーリングのラケットを選ぶことができます。
ラケットって同機種でも個体差があるので、スイングウェイトを抑えておけば外れのない買い物ができます。
また、ラケットを変える際にも好みに近いものを選ぶことができるので、抑えておいて損はない数値です。
5.ストリングパターン
ラケットに張ってあるストリングの本数のことです。
現在市場に出回っているものはだいたい以下のいずれかのパターンになっています。
- 16×19
- 16×20
- 18×20
- 18×16
本数が多いほど面圧が上がり、ストリングのダンピング(撓み)が少なくなるので飛びにくくなる傾向があります。
逆に少ない本数だと、面圧が下がりボールが飛びやすくなります。
さらに、ストリングが良く動いてくれ回転がかけやすくなるという効果が見込めます。
16×19のパターンがもっとも一般的で、販売されているほとんどがこのパターンです。
最初のラケットであれば平均的な16×19で、もっと回転をかけたいとか、もっとコントロール性を上げたいというような「欲」がでてきたら、それに適したパターンをチョイスすれば良いと思います。
ストリングパターンに関する詳細はこちら。
6.フレーム厚とフレーム形状
まずは、フレームの厚さです。
だいたいが「19mm-26mm」の間になっています。
薄いラケットは「しなり」が強く、打球感が柔らかいという特徴があり、厚いラケットは「面安定性」が高くしっかりしたフレームになっているので、反発力が強いという傾向があります。
次にフレーム形状。
以下のラケットのようにフレーム断面が「四角い」形状を「ボックス形状」と呼んでいます。
それ以外の丸みを帯びている形状は「ラウンド形状」と呼んでいます。
柔らかい打球感とボールの乗りを追求するなら、「薄いフレーム&ボックス形状」の組み合わせがおすすめです。
爽快な飛びが欲しいのであれば、「厚いフレーム&ラウンド形状」が良いでしょう。
7.RA値(フレックス)
あまりメジャーな指標ではありませんが、ラケットフレームの硬さを表したフレックス(RA値)もラケット選びに活かせます。
先に紹介した「スイングウェイト」と同様、公開しているメーカーが少なく、店頭で測れるショップもあまりありません。(私の近くにはありません)
バボラはサイトにRA値を公開していて、
- ピュアドライブ’18=「72」
- ピュアアエロ’19=「71」
- ピュアストライク’19(16×19)=「70」
数値が高いほど「硬い」ということになります。
例に挙げたバボララケットはかなり硬めです。
フレーム厚20mm前後の薄いラケットはRA値60前後が中心になり、柔らかいフィーリングとなっています。
おすすめは?
これまで述べてきたポイントを踏まえた、私のおすすめラケットは以下です。
記事へのリンクとなっておりますので、ご参考にどうぞ!
まとめ
経験上、「飛び」、「打球感」、「回転量」全て満点と感じるラケットとはなかなか巡り合えません。
ご紹介したポイントの特性を踏まえ、「自分の長所を伸ばす」のか「短所をカバーする」のかなどを考えながら選ぶことになると思います。
ちなみにですが、私は今、「ストロークでバウンド後に伸びるボールが打ちたい」という目標に近づけるように、回転重視のラケットを使っています。
理想のプレーを目指してお互い頑張りましょう!
まだ経験が浅く、自分の基準が不明な方は、スタンダードな100平方incから始めてみることをお勧めします。