ブリヂストンのラケットはワールドワイドで販売されていないので、世界規模の大会で見かけることは少ないですが、日本国内では私がテニスを始めた約30年位前からある老舗ブランドです。
青山修子選手のウィンブルドンでの活躍が記憶に新しいですね。
学生時代通っていたテニススクールがブリヂストン系列だったこともあり「プロビーム」を長い間使っていました。(周りがグラファイトだらけだったので、なんか違うのを使いたかったのもありますw)
社会人になってからも「X-BLADE325」を数年使っていたりと、ブリヂストンラケットにはお世話になっています。
この春ブリヂストンスポーツから「New X-BLADE」が発売されると聞き、どんな風に変わったのか非常に楽しみにしていました。
早速打つことができたので、「ラケットのコンセプト」「搭載テクノロジー」「打球感」などの感想をまとめてみたいと思います。
ラケットコンセプト
「ワールドスタンダードよりジャパニーズスタンダード」
現在市場で人気のラケットはワールドワイドで販売されています。
そのような「世界基準で作られたラケットが本当に日本人にとって打ちやすいものなのか?」というところに着目し、日本のプレーヤーだけに向けたラケットを開発。
日本国内数多くの大会に携わり、テニススクールを運営し、日本人のプレーを熟知したブリヂストンならではの試みですね。
ボールのスピードが速い、回転量が多いだけではなく両方をプレーヤーがコントロールして(支配して)「試合に勝てるラケット」というコンセプトで作られています。
テクノロジー
パワースタビリティーシステム
フェースの5時、7時の部分に高密度のパワースタビリティーカーボンを配置し、ウェイトを集中させています。
ラケットの重心近くに比重を置くことで、
・動きの中でも安定したスイング
・芯を外してもブレない面安定性能
を目指しています。
ボールをホールドする剛性設計
シャフト部からトップ部にかけて変形量を高めた剛性分布に。
モデル毎に対象プレーヤーのスイングスピードに合わせて最適な「しなり」が得られるようにチューニングされている模様です。
レジツイストBフレーム
フェース部分のグロメットの溝を33%深くした新しいフレーム構造を採用。
溝が深い分、撓みが大きくなり、ホールド感を向上させたフレームです。
さらに深みが増した分、グロメットパーツの重量が増し感性モーメントが増し安定性能も向上させたとのこと。
X-BLADE製法
ブリヂストンラケットの真骨頂とも言える製法です。
ボールを包むようなホールド感とマイルドな打球感の源だと思います。
今作は、「CGカーボンブレード」(24Tカーボンにグラスファイバーを組み合わせたもの)を採用し、しなりとホールド感が強化されているようです。
スペック
スペック | ||||||
重量 | フェイス面積 | 長さ | フレーム厚 | ストリングパターン | バランス | |
300g | 98平方inc | 27inc | 22mm | 16×19 | 320mm |
重量300g/バランス320mmで98inc/ボックスフレームモデル。
いままでありそうでなかった絶妙なスペックです。
このスペックを求めていた方も多いのではないでしょうか!?
デザイン
ブリヂストンラケットはフェースの形状に少し特徴があり、フェイストップの幅が少し広めになっています。
逆卵型というのかな。
フェイストップでボールを潰しやすそうですね。
ツヤなしブラック&レッドの配色となっていて、精悍で強そうです。
ファーストインプレッション
重量300g & バランス320mm というスペックの割に振り抜きが良い感じ。
22mm均一のフレーム圧なので空気抵抗が若干少ないのかもしれません。
打球感は「ラケットに乗る」感覚が明確に感じられます。
乗る分弾きは若干弱め。
ボレーボレーでの操作性も問題ありませんでした。
ストローク
一般的な黄金スペックラケットに比べ弾きが弱く、ボールが重く感じられました。
ラケットのしなりがあるからだと思います。
このしなりの恩恵でコントロール性の高さが印象的。
厚く当てた強いインパクトをしてもちゃんと入ってくれる安心感があります。
弾道は自分の想定より少し低めで、最初の3,4球はだいぶ浅くなってしまいました。
スピンは擦るスピンだとラケットの弾きが弱い分バウンド後の跳ねが弱い印象です。
厚く捕らえるスピンでないとこのラケットの良さを活かすことができないですね。
私個人的にラケットのコントロール性を武器に、ボールをライジングで捉えてフラットドライブ系の低い弾道で攻めるテニスに向いていると思います。
ボレー
ボレーに関してもボールの乗りが良く、柔らかい打球感で打つことができます。
芯を外してもラケットがアシストしてくれるので、難しさはそれ程感じませんでした。
弾きが弱めなので「ハーフボレーなんかは難しそうだな」と想像していたのですが、実際は適度に飛んでくれて、ここでもラケットアシストを感じました。
取り回しも良いし、ボレーはかなり打ち易い!!という評価です。
サービス
ラケットが自然に走ってくれる感じで、非常にスムーズにスイングすることができました。
ファーストインプレッションでも振り抜きの良さは感じていましたが、サービス(オーバーヘッド系)ではより顕著に感じました。
さらに逆卵型フレーム形状のせいか、先端寄りで捉えられるとボールがグニャッ(?)と潰れてからすごい勢いで飛び出していく感じで、かなり勢いのあるボールを飛ばすことができました。
弾き系のラケットでは味わえないような気持ち良さがありますね。
今回の試打では気持ち良さを追い求め、1stの確率が低かったのが反省点・・
ラケット評価チャート
まとめ
スペックを見た時、「黄金スペックより少し弾きが弱くなった感じかなぁ」と想像していたのですが、「ツアースペックにラケットアシストが加わった」方が正確な表現かもしれません。
「ボックス形状が好きだけど、だんだんフィジカルが厳しいなぁ」
「でも黄金スペックのぼやけた打球感は嫌だ!」
という方にぴったりはまるラケットだと思います。
興味があったら試してみて下さい。