HEADの競技系ラケットで最もパワーを重視したシリーズ、インスティンクトの最新作、2020年モデルの「グラフィン 360+ インスティンクトMP」を打つことができました。
インスティンクトは、ピュアドライブ を始めとした黄金スペックラケットなんですが、他の黄金スペックに比べ、フェースが「縦長」という特徴があるラケットです。
その恩恵で、
▶️ 振り抜きの良さ
▶️ 弾道を抑えやすい(上がり過ぎない)
というメリットが生まれます。
今回打ったのは、主力モデルの「MP」です。
どんな印象だったのか、私が感じた特徴をまとめていきたいと思います。
G360+ インスティンクトの搭載機能
冒頭で簡単に特徴を書きましたが、改めて詳細を整理します。
- グラフィン 360+
- 「センターフォーカス」ストリングパターン
- 「パラレルドリリング」グロメット形状
- 縦長なフレーム形状
まず、G360+化されたことで、フレーム強度が向上し、ブレにくくパワーロスを防げます。
それに加え、中心部のストリングパターンが細かく設計されていて、ストリングの動きを抑制。
さらに「パラレルドリリング」と呼ばれるグロメットを採用し、ストリングの撓みを強調させています。
これらのコラボレーションで、弾道が上がることを抑え、直線的なボールを打ちやすくしています。
デザイン
ちょっとくすんだ色味になっていて、単純に前作のリバースな配色ではなさそうです。
スペック
インスティンクトMP スペック | ||||||
重量 | フェイス面積 | 長さ | フレーム厚 | ストリングパターン | バランス | |
300g | 100平方inc | 27inc | 23-26-23mm | 16×19 | 320mm |
数値的には、黄金スペックドストライク。
あとは機能面でどんな味付けになっているか。
ファーストインプレッション
ウォーミングアップのショートラリーでは、「カチッ」としたちょい硬めな打球感、ボレーボレーでは爽快な弾きが印象に残りました。
特徴のところで、「弾道が上がりにくい」ということを書きましたが、実際に打つとスピンも普通に十分かかります。
ストローク
ショートラリーではちょっと硬めに感じた打球感ですが、距離を伸ばすと「柔らかさ」が感じられるようになってきました。
ストリングでボールを包むような柔らかさです。
この柔らかさも歯切れの良い柔らかさで、一瞬「グッ」と乗ってから「スパン」と飛ばしてくれて、非常に気持ちの良い打球感です。
フレームが強くしっかりしている恩恵だと思います。
この「掴む」感覚のある打球感が安心感に繋がり、コントロール性に関しても非常に高いものがあります。
正直いうと、パワー系のラケットということで、もっとスピードのあるパワーボールが打てるかもと期待していたのですが、最近は「コントロール性がベースにあった上でのパワー」を追求しているラケットが多くなった気がします。
ボレー
芯でとらえたボレーに関しては、ストロークでも書いた「掴み感」があり、気持ちよくさらに狙ったところにしっかり落とせる好感触でした。
が・・・・、ちょっと難しい点も。
⏩ 目測を誤ってスイートスポットを外した時
⏩ 正面の突き玉に差し込まれ、根元に当たってしまった時
こんな状況の時に、ボテボテになってしまう傾向が強かったです。
こういう部分はワイドに広い方がアシストがあって良いですね〜
ぱっちり捉えられた時の威力(快感)を選ぶか、アシストを選ぶか、難しいところです。
サービス
サービスは良く走ってくれました!
ヘッドが超スムーズに走ってくれるので、流れに任せてミートすれば伸びのある良いサービスが打てます。
以前使用していた「スピードS」よりも重量感があるので、ラケットダウンからの振り上げも力まずに楽に打つことができました。
ラケットにパワーがあるため、私のスピンサービスでも良い跳ねを出すことができ、パワーと回転が両立した満足のいくサービスとなりました。
私の場合、サービスは完全に「縦長フレーム」が好みです。
でもボレーはワイドに広い方が良い・・
状況に応じて変形するラケットが出ないものだろうか(出ない)
ラケット評価チャート
まとめ
- パワーはあるが、過度なものではなくコントロール性が重視されている
- 弾道は抑え気味だが、回転は十分かかる
- スイートスポットとそれ以外で打感の差が大きい
- サービスでのヘッドの走りは秀逸
こんな印象のラケットでした。
低弾道〜中弾道のスピンボールで攻撃的なテニスを仕掛けていく、ストローカーにはまりそうなラケットです。
興味があったら是非試してみて下さい。
次に紹介する画像を見ていただくと、特徴がわかりやすいと思います!