ジョン・イズナーや上杉海斗選手、白石光選手が使用していることで有名なブランド、プリンス。
日本では旧ダイワ精工、現在のグローブライド社が販売ライセンスをもっています。
私が学生の頃は「グラファイト」が超絶な人気を誇っていて、多くの人が使っていました。
現在は新たな技術や素材を取り入れた、独特なラケットが発売されています。
そんなプリンスラケットのラインナップと特徴をまとめていきたいと思います。
ラインナップをインプレとともにご紹介
ビーストシリーズ
私の周りのプリンスユーザーは、ほとんどがこのビーストシリーズを使用しています。
主にダブルス練習をしてもらう方々が「100」、シングルスを練習する方が「98」という感じの内訳です。
「100」は黄金スペックで扱いやすさはもちろん、クリアな打球感と飛びすぎない所が魅力です。
2021年最新モデルは「ピュアファイ バイブレーション システム」が搭載され、さらなる振動除去を実現。
実際に打ってみたところ、打球感がしっとりウェットに変わっていました。
また、2021年復刻したダブルブリッジ(DB)モデルは、「乗り」が強くコントロール性に優れています。
黄金スペックにありがちな硬い感じは皆無なので、ボックス系ラケットからの乗り換えにも対応できると思います。
「98」は「100」よりも飛びがかなり抑えられていて、ハードヒッターに好まれそうな感触になっています。(私の腕では98は正直厳しいモデルでした・・)
訂正します!
ビースト98’2020は、若干軽量化し、扱いやすいスペックに変更されたことに加え、新テクノロジー「CTS」の搭載で、かなり扱い易く変貌しました。
特にオースリー版は守備力もあり、かなり扱いやすいです!!
派生モデルも誕生
ビーストをベースによりパワーとスピンを追求した「ビーストMAX」
実機を打ち、圧倒的なパワー感とアシスト性を感じました。
操作性も良いので、ダブルスで活躍してくれそうです。
Xシリーズ
ラケットのスロート部分をねじらせて、フォアハンドとバックハンドでラケットアシストを変えるというコンセプトで作られたシリーズです。
一般的にバックハンドの方が力が入りにくいので、バック側で飛ぶように設計されています。
「バックが飛ばない」とお悩みの方の救世主になるかもしれません。
右利き用、左利き用があるので注意してくださいね。
ハードヒッター向け、X100ツアー、X98ツアーのラインナップも用意されています。
ハードヒッター好みの身の詰まった打球感を出すためのフレーム構造になっている本格モデルです。
ツアーシリーズ
薄型ボックスフレームの競技者モデルラケットです。
ボックスフレームらしいしっかりとした打球感にプリンスならではのクリアさが加わり、打っていて気持ちの良いラケットになっています。
- TOUR O3 100(310g)
- TOUR O3 100(290g)
- TOUR 100(310g)
- TOUR 100(290g)
- TOUR 95
- TOUR 100 SL
と多くの種類があるので、好みの打球感が選びやすくなっています。
最新作(2023年モデル)はスペックによってペイントカラーが異なるという新たな試みが施されています。
あと、新たなスペック98平方インチが登場したことも要チェック項目です。
打感は柔らかく、回転性と反発性が高次元で調和していて特にストロークが打ちやすかったです。
ファントムシリーズ
シャフト部のフレーム厚が16.5mmと超薄なスペックが特徴のファントムシリーズ。
個人的推しの上杉海斗選手が使っていたモデルとして有名なシリーズです。
プリンスが使っているテキストリームカーボン(詳細は後述)により、このフレーム厚でも十分な剛性が得られるそうです。
なので、中厚フレームの剛性をもったまま、より振りぬき易いラケットであると言えます。
パワーがある上級者向けラケットのイメージですが、意外に飛びが良いのも特徴。
乗りの良さを生かして、スライスやフラット系のショットも打ちやすいです。
フラット専用ファントムも誕生!
直線的なボールが打ちやすい競技系モデルラケットです。
スピード重視なプレーヤーに好まれる打球感でした。
グラファイトシリーズ(ファントムグラファイト)
グラファイトの良い部分は継承しつつ、最新のテクノロジーを装備して「ファントムグラファイト」が登場しました。
グラファイトのアイデンティティでもある、クロスバーは当然健在。
オーバーサイズは回転がかけやすく、スイートスポットも広めで間口の広いラケットになっています。
ミッドサイズに相当するファントムグラファイト97は、315gとは思えない操作性、97平方インチとは思えない守備力があり、扱いやすい競技モデルラケットでした。
クラシカルな打球感を感じつつ、色々なプレーに挑戦できる1本です。
ラインナップ別に特徴を比較
以下の評価基準でラインナップの特徴を表してみました。
- 飛び
- 回転
- コントロール
- 操作性
- 振り抜き
各ラインナップの基準モデルで比較します。
プリンスラケットの特徴
- オースリーグロメット
プリンスラケットならではの特徴として、大きな穴の開いたフレーム「オースリー」があります。
この効果でストリング稼動域が広がり、結果、スイートスポットが広くなると言われています。
実際に打ったところ、オフセンターでもアシストがあって、そこそこ良いボールが飛ばせました。
ただノーマルグロメットに比べて、若干打球感が鈍るように感じます。
- テキストリーム&トワロン
テニス業界ではプリンスしか使えない、軽量で高強度のカーボン素材「テキストリーム」と、振動減衰効果の高い「トワロン」を融合させた「次世代カーボン」が使われています。
(テキストリームはF1カーにも使われるほど、軽くて強い素材)
振動の少ない「クリア」な打球感に加え、面ブレしないカチッとした打球感の源です。
- CTS
シャフト部分からラケットヘッドに向かって、だんだんとフレーム厚が増していく構造。
この構造をとることで、
- シャフト部分のしなり
- ラケットアシスト
が両立され、パワーとコントロール性に優れたラケットになっています。
- ダブルブリッジ(DB)
スロート部6本分のグロメットがなく、高分子エラストマーに直結していて、振動吸収性がアップします。
さらにエラストマー内部を通っているぶんストリングの可動域が約7mm大きくなり、ホールド感の向上が期待できます。
「マイルド&ホールド」
がダブルブリッジの特徴です。
一般プレイヤーへのおすすめは?
ストローク重視
- ビースト98
- ツアー95
どちらもボールを潰してハードヒットするストローカーに向いているモデルです。
私の印象では、フラット系はビースト98、スピン系はツアー95が良さそうです。
オールラウンド型
- ビースト100
- X100
プリンスのラインナップでは反発が強めなこちらの2機種がおすすめです。
素材の影響か「飛びすぎない」ので、コントロール性が良く扱いやすい機種であると思います。
打球感重視
- ファントムグラファイト
カンカン弾かずに、湿り気のある柔らかい重厚な打球感が好き
だけど全然飛ばないラケットは無理
一般的な筋力である程度使いこなせる
こういうニーズを満たしてくれるラケットです。
回転のかかりも良いので、緩急をつけたクレバーなプレーをしたい方にオススメ。
まとめ
以上、プリンスラケットのラインナップと特徴でした。
・競技者モデル(上)
・競技者モデル(中)
・黄金スペック
と、中上級者に選択範囲が広いラインナップである印象です。
超薄かったり、捻じれてたり、と個性的で常識にとらわれない攻めたラケットを作っています。
今後どんなラケットを開発してくれるのか楽しみですね。
本記事がラケット選びの参考になれば幸いです。
記事中にラケットに関する専門用語を使いました。
ちょっと何言ってるの?と思った方は用語を以下のページで解説しているので、良ければ読んでみて下さい。
Prince製品インプレ一覧
Princeラケット Q&A
- プリンスラケットでオールラウンドに扱い易いおすすめモデルは?
振動の少ないクリアな打球感と適度で爽快な飛びが魅力の「ビースト100」がおすすめです。
- プリンスラケットでスピンのかけ易いおすすめモデルは?
力を入れ易いフォアと入れづらいバックのしなりをフレームの捩じれで最適化させ、「乗り」と「引っかかり」の良い「X100」がおすすめです。
- プリンスラケットでハードヒッターにおすすめのモデルは?
ラケットのしなりが強い「ファントムO3100」や「ビースト98」、「ツアー95」がおすすめです。