テニス業界の超有名ブランド「ウイルソン」。
中でもラケットには特に力を入れていて、ラインナップも超豊富です。
トッププロの使用ラケットを見ると、錦織圭選手をはじめ皇帝フェデラー、活躍目覚しい若手チチパス、女王争いを繰り広げているハレプなどなど多くの選手がウイルソンを使用しています。
私達アマチュアテニス界でも人気のあるブランドです。
そんなウイルソンブランドのラケット、どんな種類があってどんな特徴があるのかをまとめてみたいと思います。
ラインナップをインプレとともにご紹介
プロスタッフシリーズ
私がテニスを始めた、25年以上前からある伝統の名器です。
現在発売されているラケット全体を見渡しても、昔から同じ名前を踏襲し人気を維持し続けているのはこのプロスタッフと数種類しかありません。
最新のテクノロジーを取り入れつつ、昔から愛されている打球感はなるべく変えずに進化を続けています。
しなりから生まれる柔らかい打球感と高いコントロール性が最大のウリです。
芯でハードヒットした時の打球感は病み付きになります。
ただ、週末アマチュアプレーヤーが試合で使うにはハードルが高め。
重量があって真ん中を外すと飛ばないという点もあげられます。
最新作はデザインが秀逸!
惚れ惚れするくらいかっこいいラケットになっています。
また、カーボンの編み方を改良し、初代プロスタッフの打球感を再現したとか。
詳細インプレはこちらです。
BLADE(ブレード)シリーズ
BLADEもしなりを重視したモデルです。
プロスタッフよりラケットアシストがあり扱い易くなっています。
2019年モデル(V7)からカーボンの編み方が変更され、薄い当たりでも柔らかさを感じられるので、生粋のハードヒッターでなくとも扱えるモデルになっていると思います。
さらにV7から100平方incが登場していて、より広い層で使えるようになりました。
そして最新作V8ではグリップに改良が加えられ、さらに面安定感が増しました。
V9となり、今度はラケット剛性が高められスピード感が向上しました。
剛性を上げてもこれまでと打感が変わらないようにカーボンの編み方が調整されています。
ULTRA(ウルトラ)シリーズ
ULTRAはウイルソンラケットの中では「厚い」部類のラケットです。
フレームのしなりによる柔らかさではなく、「ストリングの撓み」で柔らかさを出しています。
- 柔らかい打球感
- 適度な飛び
- 高い面安定性
が揃っていて、多くの層が扱い易いラケットです。
最新作の2022年モデルは、旧モデルに比べて回転性が向上して、コントロール性の向上を感じました。
ウルトラツアーシリーズ
2019年より錦織選手が使用しているシリーズです。
もともと使用していた、BURNシリーズのガッチリしたフレームにクラッシュゾーンと呼ばれるグロメットを装備したモデルになります。
クラッシュゾーンの効果でよりパワフルなボールが打てるようになっています。
BURN(バーン)シリーズ
錦織選手のラケット変更により、少し注目度が下がっていますが継続して販売されています。
「100S」はバーンのフレーム特性を生かしつつ、スピンをかけやすくしたラケットになっていて、その回転の掛けやすさは常軌を逸するものがあります。
スピン回転だけでなく、スライス回転も強くかかるので、攻撃的にも守備的にもオールラウンドに使いやすいラケットになっています。
また、他のラケットに比べ定価が低く設定されているので、初めてのラケットにも最適。
個人的におすすめなモデルです!
CLASH(クラッシュ)シリーズ
2019年に新登場したシリーズで、「しなりとパワーの両立」をコンセプトに発売されたシリーズです。
その打球感は本当に柔らかく気持ちの良い打球感を味わうことができます。
100平方incは、そこまでハードヒットをせずとも「しなり」が味わえるので、パワーに自信がない方でも使いこなせると思います。
2022年に登場した2代目は「弾き」の良さが加わり、より扱い易く進化しました。
操作性重視の方、鋭いスイングでバウンド後に失速しないボールを打ちたい方には軽量モデルの100Lが向いていると思います。
パワーがあって、ハードヒットを武器にガンガンせめていきたい方には少し硬めの98がおすすめ。
SHIFT(シフト)シリーズ
2023年新たなラインナップとして登場したシフトシリーズ。
コンセプトは「スピンとスピードの両立」です。
フレームを縦しなりやすく設計し、意識してスピンをかけずとも「自然と回転がかかる」ため推進力(スピード)を落とさなくてもコートに収まりやすくなっているそうです。
相手の時間を奪って主導権を取りたいプレーヤーにおすすめです。
プロ仕様のプロラボシリーズ
プロ仕様のラケットを一般プレーヤーに提供するというコンセプトで発売された「プロラボ」シリーズ。
✅ブレードプロ
✅ウルトラプロ
✅プロスタッフsix.one 95
上記機種がラインナップされています。
見た目は、ブレードやウルトラですが、
- フレームが薄く
- フェースが小さく
- 重量(バランス)が重い
という特徴がある、ハードスペックなラケット。(細かいストリングパターンもあります)
通常モデルと若干デザインが違っていて、プレミア感もあります。
ハードなラケットに興味がある方はチェックしてみて下さい。
ラインナップ別に特徴を比較
以下の評価基準でラインナップの特徴を表してみました。
- 飛び
- 回転
- コントロール
- 操作性
- 振り抜き
各ラインナップの基準モデルで比較します。
WILSONラケットの特徴
まず挙げられるのがラインナップの豊富さ。
上記で述べたようにそれぞれに特性があるので、自分のプレーに応じたラケットが選びやすいというメリットがあげられます。
次に全体的に「薄い」ラケットが多く、しなりを重視した打球感とコントロール性が良いものが多いです。
更に「トップヘビー」なバランスのハンマーラケット、「スピンエフェクト」と呼ばれる、ストリングの目が粗いスピンラケット、と個性あるラケットが多いのも特徴です。
「ハンマーラケット」とは、ラケットの重量を軽く扱いやすくしつつ、相手のボールに打ち負けないようバランスを先端寄りに置くことで「軽いけど打ち負けない」を両立したラケットです。
Wilsonラケットに使われている素材
ウイルソンラケットに良く使われている素材をご紹介します。
COUNTERVAIL(カウンターベイル)
ラケット名の末尾に「CV」がついているものはこのカウンターベイルが配合されています。
カウンターベイルは通常のカーボンに比べ衝撃を3割減衰することができると言われています。
バサルトファイバー
火山の「玄武岩」から作られたファイバー素材で、ほとんどのウイルソンラケットに配合されています。
- 衝撃・振動を軽減
- 高い遮音性
- 軽量で強い
という特性があり、快適な打球感を実現してくれています。
一般プレイヤーへのおすすめは?
私の感触をもとに、プレースタイルとラケットをマッチングしてみます。
スピンを重視する人
- バーン100S
圧倒的なスピンのかけ易さは他の追随を許しません。
回転を操ってゲームを展開したい方に強くお勧めです!
コントロールを重視する人
- BLADE98(16×19)
スイングスピードを上げるほどラケットにボールがくっついているような感触が味わえます。
強いインパクトをしても飛びすぎないので、安心してスイングすることができるラケットです。
ラケットアシストとしなりのバランスが良いので、多くの人に受け入れられるラケットだと思います。
ボールのスピードを重視する人
- ウルトラツアー100CV
「トップヘビー&クラッシュゾーン&0.25incロング」
というスペックの恩恵か自然とスイングスピードがあがり、スピードボールを打つことができました。
ラケット自体は軽いのでガンガンスイングしていけます。
しっかり振って攻撃していきたい人に向いていると思います。
ラケオタの評価チャート
私が実際に打った感覚をもとに、分布図で表してみました。
1つの参考情報として見てみて下さい
まとめ
以上、ウイルソンラケットについてのまとめでした。
多くのラインナップがあるので、自分のプレーに合うラケットも見つけやすいメーカーだと思います。
本記事がラケット探しのヒントになれば幸いです。
記事中にラケットに関する専門用語を使いました。
ちょっと何言ってるの?と思った方は用語を以下のページで解説しているので、良ければ読んでみて下さい。
Wilson製品インプレ一覧
Wilsonラケット Q&A
- Wilsonラケットでオールラウンドに扱い易いおすすめモデルは?
高い面安定性とバランスの良いスペック(重量300g&バランス320mm)の「ULTRA100」、よりパワーを求めるなら「ウルトラツアー100CV」がおすすめです。
- Wilsonラケットでスピンのかけやすいおすすめモデルは?
スピンエフェクト機能を搭載した、「BURN100SCV」、「BLADE98S」が圧倒的におすすめです。
- Wilsonラケットでハードヒッターにおすすめのモデルは?
伝統の「プロスタッフ」や錦織選手使用の「ウルトラツア-95CV」がおすすめですが、少しハードルが高いラケットなので、アマチュアプレーヤーが使いこなせることを考慮すると「BLADE98(16×19)」がおすすめです。
- Wilsonラケットで初心者におすすめのモデルは?
反発、回転、操作性のバランスが良い「ULTRA100CV」、打球感の柔らかな「クラッシュ100」がおすすめ。もし飛びすぎるようであれば、「ブレード100」や「ブレード100L」もおすすめです。