本記事は、2021年に発売された、または発売予定のテニスラケットを特集しています。
それぞれのラケットについて、
- どんな特徴があるのか?
- どのようなコンセプトで開発されたのか?
- 実際の打ち心地はどんな感じか?
- どんなプレーヤーにおすすめか?
という視点で分析・評価を行い、読んで下さった方のヒントとなるようにまとめています。
⬆️ が2020年発売モデル一覧です。(8メーカー19機種の情報が網羅されています)
2021年もより多くのラケットをレポートしていく予定です。
では早速、2021年発売のテニスラケットを見ていきましょう。
YONEX
VCOREシリーズ
YONEXのスピン柱「VCORE」シリーズがリニューアル。
復元力に優れたカーボン繊維「Namd」が進化し、「2G-Namd Flex Force」へ。
カーボンナノチューブ層を3次元化して、より球持ちを良くなっています。
他にも「Aero Technology」「String Sync Grommets」というテクノロジーで「振り抜き」「スピン性」を追求。
実際の打球感は前作に比べ柔らかくなり、個人的には扱い易くなったと感じています。
もちろんスピンのかかりは顕在。
柔らかい打球感でスピンの掛けやすいラケットをお探しの方は是非試してみて下さい。
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VCORE PRO シリーズ
VCORE PRO 2021年モデルは、シャフト部に徹底的に改良を加え、しなりを追求したモデルになります。
- FlexCon System(フレックスコンシステム)
- Flex Fuse(フレックスフューズ)
- 2G-Namd Flex Force(ツージーエヌアムドフレックスフォース)
といったテクノロジーをシャフト部に搭載し、強靭なしなりとコントロール性を追求。
更に新スペック「97D」「104」を追加投入し、幅広い層に受け入れられそうなラケットになっています。
実際に打った感じ、初代よりもパワーが増していて、よりパワフルなボールが打てるように進化しています。
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HEAD
ラジカルシリーズ
30年近い歴史のある伝統のラケット「ラジカルシリーズ」が、15代目に進化します。
今作はモールドの変更や、重量の変更など顕著な違いがあることが特徴です。
かっちりした打球感で「弾く」印象の強いシリーズでしたが、今回は「乗り」を追求したテクノロジーを搭載。
その一つが、グロメット。
たわみが出やすい構造にして「乗る」感覚を出したそうです。
プレステージシリーズ
2022年に35周年を迎える、伝統の名器プレステージシリーズ。
新作には「グラフィン」の冠はつきません(入っているのがデフォルト)。
新たにオーセチックと呼ばれ、「ラケットヨーク部が変形してから戻る動きを均一化する」という効果のあるテクノロジーを搭載。
このテクノロジーにより、センターを若干外しても打球感が変わりにくいという効果が期待でき、スイートスポットの拡大につながっています。
扱いやすいプレステージになってそうな予感です。
DUNLOP
CXシリーズ
DUNLOPの「Control Extreme(CX)」コントロール重視のフラグシップモデル。
柔らかい打球感と高いコントロール性のハーモニーに魅了されてしまったファンの多いラケットです。
2021年モデルは、「FLEX BOOSTER」と呼ばれるテクノロジーで、スロート部分に制振ゴムが搭載されました。
実際の打球感としては、スロート部分が柔らかくなったというよりもストリングへの食いつきが強くなった印象です。
CX200は前作に比べボールの勢いが増した印象です。
CX400はフラットドライブやスライスといった低い弾道のボールをコントロールしやすく感じました。
CX400ツアーは、まさにCX200とCX400の間という感じで、特別これが打ちやすい!という尖った特徴はないものの、どのショットも打ちやすい優等生タイプのラケットでした。
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Wilson
BURNシリーズ
バーン4代目のモデルとなります。
今作はスペックがスピンエフェクトモデルのみというスピンラケットとなりました。
V3.0よりも「縦しなり」をするフレームとなって、スピンをかけた時の「乗り」が良くなっている模様です。
また、価格面にも個性があって、定価¥23,000とかなり買いやすくなっています。
「スピンをかける感覚がつかみやすいし、お買い得」という点から初心者の方にも向いているラケットだと思います。
プロラボシリーズ
プロ仕様のラケットを一般プレーヤーに提供するというコンセプトで発売された「プロラボ」シリーズ。
✅ブレードプロ
✅ウルトラプロ
✅プロスタッフsix.one 95
上記機種がラインナップされています。
見た目は、ブレードやウルトラですが、
- フレームが薄く
- フェースが小さく
- 重量(バランス)が重い
という特徴がある、ハードスペックなラケット。(細かいストリングパターンもあります)
通常モデルと若干デザインが違っていて、プレミア感もあります。
ハードなラケットに興味がある方はチェックして見て下さい。
BLADEシリーズ
Wilsonラケットで最も人気があると言っても過言ではない、ブレードシリーズがバージョンアップ。
V8として2021年9月登場します。
今作は「ダイレクトコネクト」と呼ばれるテクノロジーが目玉です。
エンドキャップとカーボンの接続部分に注目して下さい。
スタンダードに比べて形状が変わり、フィットしていますよね。
こうすることでグリップの安定感が向上し、ねじれに強くなっています。
実際に打った感じとしても、相手の強打に弾かれない安定感がありました!
PRINCE
ファントムグラファイト97
ファントムグラファイトに新スペックである「97」が登場。
2020年発売された「100」「107」に比べ、
- フェース小さめ
- ちょっと厚い
- グロス塗装
- パラレルホール
- ストリングパターン細かめ
という違いがあります。
通常フェースが小さくなるとフレーム厚も薄くなる傾向がありますが、このラケットは逆。
面剛性を高め、パワーロスを抑えることでハードヒッターさんが満足できる「破壊力」と「コントロール性」を追求しています。
まさに「激打ち用ラケット」
実際に打ってみたところ、私のようなソフトヒッターでもラケットの良さがちゃんと感じられるもので、十分に扱いきれるものでした。
しっとりしたクラシカルな打球感が好きな方はビビらずに是非試してみてください。
CHROME(クローム)100
プリンスとハイドロゲンのコラボモデル、クローム100。
クロームメッキのような光沢のあるデザインが最大の特徴です。
このラケットは海外のビースト100が元のモデルとなっています。
日本のビースト100と比べると、
- 少しトップライト
- 「ATS」がない
- ストリングパターンがセンターフォーカス
という違いがあり、コントロール系に寄っています。
なので、日本の我々にとってはほぼ新スペックラケットと言えると思います。
BEAST100
プリンスラケットの中で、反発力に定評のある黄金スペックラケット、BEAST100シリーズ。
今作は、「ピュアファイ バイブレーション(P.V) システム」が搭載され、不快な振動を徹底除去し、打球感を洗練したモデルになります。
また、2021年モデルはダブルブリッジ(DB)を採用した新スペックが登場します。
元来のBEAST100よりも「掴む」感触が欲しい方に是非試してもらいたいモデルです。
実際に打ちましたが、本当に「乗り」が良く「掴んで飛ばす」を実感できます!
もしくはラフターファンだった人も要チェック!
1997年ラフターが全米オープンを制した時に使っていたラケットとクリソツです。(僕と同じ世代ならあのサーブ&ボレーに震えた人は多いはず!)
性能はもちろん、ビジュアル的にも要チェックなモデルです。
PHANTOM シリーズ
PHANTOMがさらなる進化を遂げて3代目として発売されます。
ラインナップは変わらず、ノーマルとO3の2機種。
新作はこれまでのテクノロジーに加え「P.V.S」と呼ばれる振動浄化機能を搭載。
これはすでに「2021年型 BEAST100」に搭載されているもので、打った感じ打球感がしっとりする印象がありました。
ファントムでは強打した時に手に伝わる感触の良さ、余計な振動のなさ、が印象的でした。
BABOLAT
ピュアアエロ ラファ
2020年グランドスラム20回目の優勝を飾った時に使用していたカラーリングのピュアアエロが、記念モデルとして発売されることになりました。
バボララケットで製品に選手名が入るのは、ロディックに次いで2作目。
ナダル選手が好きなカラーリングとなっているようです。
中身はノーマルピュアアエロです。
通常サイクルだと2021年は新型ピュアアエロが期待されていた年ですが、バボラ社の担当によると次期モデルは2022年夏頃とのことでした。
少なからず新型コロナの影響があるようです。
登場を楽しみに待ちましょう。
Tecnifibre
TF-X1シリーズ
代理店がラコステジャパンに変わってから初めての新シリーズとなります。
ラケットコンセプトは、現代のスピードテニスに対応した「パワー」の追求です。
これまでのテクニファイバーラケットにはいわゆる「黄金スペック」が不在でしたが、この「TF-X1」はそのスペックを準備しています。
少しハードルが高い印象があったテクニファイバー ブランドですが、このシリーズの投入で使用者層が広がるんじゃないかと思います。
また今作はデザイン会社も変更していて、エルメスなんかの高級ブランドも手がけるところが担当したみたいで、かなり良いデザインです。
実際に打ってみて、
「面安定性の高さ」 「丸型フレームによるスピン性」「適度なストリングの反発性」
これらのバランスが良く、どのプレースタイルでも扱いやすい万能ラケットだと思いました。
2021年発売ラケット インプレ・評価一覧
ラケット | 評価 | 詳細 | 購入 |
<ヨネックス> VCORE 100’2021 | |||
<ヨネックス> VCORE 98’2021 | |||
<ヨネックス> VCORE PRO97’2021 | |||
<ヨネックス> VCORE PRO100’2021 | |||
<ヨネックス> VCORE PRO104’2021 | |||
<ダンロップ> CX200’2021 | |||
<ダンロップ> CX400’2021 | |||
<ダンロップ> CX400ツアー’2021 | |||
<ヘッド> G360+ラジカルMP | |||
<ヘッド> プレステージPRO’22 | |||
<プリンス> ファントムグラファイト97 | |||
<プリンス> ビーストO3100’2021 | |||
<プリンス> ビーストDB100’2021 | |||
<テクニファイバー > TF-X1(285) |
まとめ
新製品情報をキャッチし次第更新していくので、気になるラケットがあったら是非本記事に遊びにきて下さい。
お待ちしております。
2022年版も作成しています!
良かったら見てみて下さい。