2020年も各メーカーから続々と新作ラケットが発売されています。
各ラケットそれぞれ個性があって、どのラケットが自分の目指すプレーをアシストしてくれるのか、考えながら打つのも楽しいものです。
本記事では2020年に発売されたラケットに照準を当て、
- ラケットのコンセプト
- ラケットの使用感(インプレ)
- 評価
をシリーズ別にまとめていこうと思います。
私の主観が色濃く反映された内容ですが、ご参考までに読んでみて下さい。
目次
HEAD(ヘッド)
G360+ プレステージ
ヘッドラケットのフラグシップモデル、チリッチ選手等が使用している「プレステージ」がいよいよグラフィン360+を搭載して進化をしました。
最も人気のある「MP」のスペックが28年ぶりに変更となったり、グリップ形状が丸形に変化したり、と大きな変化が入っています。
スペック変化の恩恵か、新テクノロジーグラフィン360の恩恵か、その合わせ技か、思ったより飛ぶ印象がありました。
プレステージに「ハードルが高いな」と感じていた方でも使いこなせるかもしれません。
興味があったらチャレンジしてみて下さい。
G360+ スピード
2020年3月、ジョコビッチ使用モデル「スピード」シリーズに新作が登場。
フレームの5時と7時の部分にスパイラルファイバーが搭載され、グラフィン360+へと進化しました。
ラジカルよりも打球感が柔らかく、ショットのパワーが強調できるラケットです。
G360+ エクストリーム
スピン系モデル、エクストリームもスパイラルファイバーを搭載し、360+化されます。
✔︎ グロメット構造
✔︎ シャフト形状
✔︎ ストリングパターン
の組み合わせで回転の掛かりを追求したモデルです。
また、新スペックの登場やモールドの一部変更と、結構変化の大きいリニューアル。
今作から加わった98平方インチモデルも人気が出そうです。
G360+ インスティンクトシリーズ
HEADラケットの主要シリーズで最もパワーのあるラケットである、インスティンクトもグラフィン 360+化されました。
スペック的には「黄金スペック」ですが、他の黄金スペックに比べ、
✅ 縦長なフレーム形状
✅ 中心部が細かいストリングパターン
という特徴があるラケットです。
ストリングの動きではなく、安定したたわみを実現してくれるので、直線的な弾道が持ち球である選手に向いたラケットです。
YONEX(ヨネックス)
EZONE
大坂なおみ選手やニック・キリオス選手が使用する人気ラケットが2020年リニューアルされました。
Yonexラケットの中では「パワー」と「衝撃吸収性」に優れたモデルになります。
新作は「M40X」と呼ばれる新カーボンや衝撃吸収性に優れた「VDM」というシートを搭載して、特徴がさらに強化されています。
VCORE PRO 100 JP
2019年発売されたVCORE PROに、JAPANモデルとしてオリジナルスペックのラケットが発売されます。
海外の選手に比べ、体系的に劣る日本人用に、よりパワーを重視した作りになっている模様です。
競技系ラケットの打球感が好きだけど、フィジカル的にちょっと厳しいかも・・と感じていた方に刺さるモデルだと思います。
アストレル
「柔かくて」「軽くて」「飛ぶ」をコンセプトに開発されたラケットが、リニューアルされました。
今作の特徴は、スイートエリアを広げ、反発力を向上させる、「クアッドフォースギア」と呼ばれるテクノロジーです。
楽に飛んでくれて、当たり損ねが少なく感じられ、ちょっと上手になったような気分にさせてくれます。
2020年モデルはフェースサイズ100sqincも追加され、層が広くなりました。
Babolat(バボラ )
ピュアアエロ VS
人気ラケットピュアアエロ のフェースサイズを少し小さくし、フレーム厚を少し薄くした選手層向けラケットが2020年リニューアルされました。
スペック的には少しハードルが高そうですが、そこそこアシストがあって使いやすい印象。
振れば振るだけ良さがわかる、ストローカー向けラケットです。
ピュアドライブ 2021
世界中で人気を誇るモンスターラケット「ピュアドライブ 」がリニューアルされました。
ほぼ完成しているスペック等は変えずに、「打球感やコントロール性のチューニングをした」と言われている新モデル。
現行ピュアドライブ から、安心して移行できるようになっています。
実際に打ってみたところ、マイルドになった打球感と、インパクト時の「乗り」が良くなってさらに打ちやすくなった印象でした。
詳細はこちら。
Wilson(ウイルソン)
BLADEシリーズ
2019年に発売されたラケットの別スペック(100と100UL)が登場しました。
もともとBLADEは98平方インチがメインで「選手層」向けのラケットでしたが、V7(最新作)からより扱い易い100平方インチがラインナップされて、幅広い層に使えるモデルになりました。
フレームがしなる感じの柔らかい打球感が好きな方は是非試してみて下さい。
ULTRAシリーズ
「 #ウルトラできる 」 をキャッチフレーズに新作が2020年3月発売されました。
特徴は以下の2点。
- 高い面安定性
- ストリングの撓みを徹底追求
高い面安定性でコントロール性を出しつつ、ストリングの撓みでパワーと柔らかな打球感を実現。
その撓みを追求し、「クラッシュゾーン」やその他新たなテクノロジーを搭載させました。
ブレードやクラッシュのような「フレームのしなり」による柔らかさではなく、ストリングの撓みで柔らかさを出すタイプのラケットです。
プロスタッフシリーズ
伝統のプロスタッフが13代目(V13)へと進化を遂げます。
新作では新たな素材を使わず、カーボンの編み方に着目し、初代プロスタッフの打球感を目指した、「BRAID45」と呼ばれるテクノロジーが搭載されています。
フェデラーモデルは、上記テクノロジーを搭載せず、中身はV11(2017モデル)となるようです。
軽量モデルのラインナップもあるので、プロスタッフならではの打球感を味わいたい方はぜひ試してみて下さい。
PRINCE(プリンス)
ファントムグラファイト
私が学生時代一世風靡したグラファイトが、現代の最新技術、「テキストリーム」「トワロン」を搭載し、新たなスペックで登場しました。
昔のオーバーサイズは320gほどありましたが、今作は305g程度になっていて、扱いやすさもあります。
フレームが薄くクラシカルな打球感がありつつ、オーバーサイズならではの回転性やスイートスポットの広さもあり、間口の広いラケットになっています。
BEAST98
前作よりも軽量化され扱いやすくなっています。
また「CTS」と呼ばれる、シャフト部からラケットヘッド部にかけ徐々にフレーム厚がましていく構造をとることで、
☑️中厚ラケットのパワー感
☑️薄ラケの乗り
を両立させていることが魅力です。
TOUR(ツアー) シリーズ
プリンスラケットのボックス系フレーム「ツアー」シリーズ。
中上級者向けのモデルです。
純粋なボックスフレームではなく、「Xモーフフレーム」と呼ばれる、フレームの外側と内側の厚さが異なる形状をしています。
正直言うと完全なボックス形状ではないんです。
x(エックス)モーフ形状と呼んでいます。内側と外側の厚さを変えることで、ボックス形状とエアロ形状のそれぞれの長所を併せ持つprince独自の新形状。#スピードスピン pic.twitter.com/D3MYJJTqkI
— princetennis1970 (@princetennisjp) August 14, 2020
さらに2020年モデルは、フレームの「10時」「2時」の部分に「ATS」が搭載され、ラケットヘッド部の強度が上がっています。
ラケット先端部で捉えた時の、「面安定性」が向上し、
- パワーロスの軽減
- コントロール性向上
という効果が見込め、ハードヒッターにさらに支持されそうです。
DUNLOP
FX500シリーズ
2020年新たに登場したDUNLOPのニューモデル。
コントロールの「CX」、スピンの「SX」につづき、パワーの「FX」という位置づけです。
振り抜きの良いフレームで、爽快にボールを飛ばすことができます。
スタンダードスペック(フェースサイズ100平方インチ)の「FX500」よりもコントロール性の高いものが良いというような方には、フェースサイズ98平方インチの「FX500 TOUR」もラインナップされています。
選択の幅が広いのもうれしいポイントです。
DIADEM(ダイアデム)
NOVA
2020年から日本で取り扱われるようになったブランドのラケットです。
ブランドのラインナップとしては「パワーを重視」したシリーズで、
✅身の詰まった心地よい打球感
✅オフセンター時のアシストの良さ
といった特徴があります。
ELEVATE(エレベート)
ダイアデムのボックス系フレームがエレベートです。
98spinc & 16×20 と一見ハードそうなスペックですが、ストリングパターンが粗い設計のため、スピンのかかりは秀逸です。
このスペックにしてはかなりの引っ掛かり感が感じられます。
なので、ボールが伸びてより攻撃的なボールが打てるラケットです。
Tecnifibre(テクニファイバー)
T-FIGHT rs シリーズ
- ボックス系の「掴み」
- エアロ系の「弾き」
これらの両立をコンセプトに開発された新作。
シャフト部の形状に特徴があって、弱いインパクトでは「弾き」が感じられ、強いインパクトでは「乗り」がしっかりと感じられる打球感が実現されています。
バランスが良く、クセの少ないラケットです。
2020年新作ラケット インプレ・評価一覧表
最後に表形式でまとめます。
評価チャートも載せていますので、傾向の比較に使ってください。
表は左右スクロールできますので、スマホで見て下さっている方はご活用下さい。
興味あるラケットがあったら、ポチっと確認してみて下さいね。
まとめ
約1年間かけ、8メーカ、19機種の情報をまとめました。
これからも色々なラケットを試していく予定なので、
「なんか新しいラケットが欲しいな・・」
とか
「最近はどんなラケットがあるのかな・・」
と感じたら是非本ブログに遊びにきて下さい!
2020年発売ラケットQ&A
- 2020年発売のWilsonラケットは?
BLADE100、ウルトラシリーズ、プロスタッフシリーズの新作が登場しました。
BLADEは「しなり」と100平方インチというフェースサイズが生み出すパワー感が両立されています。
ウルトラシリーズはストリングのたわみを重視した設計で柔らかさとパワーが特徴です。
13代目となった伝統のプロスタッフは、デザインがかなり良くなり、「BRAID45」と呼ばれる新しいカーボンの編み方を採用。初代プロスタッフの打球感を目指したラケットになっています。
(詳細はこちらの記事をご覧下さい。)
- 2020年発売のHEADラケットは?
プレステージシリーズ、スピードシリーズ、エクストリームシリーズ、インスティンクトシリーズの新作が登場しました。
全てグラフィン360+化されて、面安定性が向上しています。
どのシリーズも他メーカーに比べフレーム形状が縦長な設計になっていて、弾道が上がりすぎずコントロール性が良いという特徴があります。
(詳細はこちらの記事をご覧下さい。)
- 2020年発売のYONEXラケットは?
EZONEシリーズ、VCOREPRO100JP、アストレルシリーズが登場しました。
EZONEは衝撃吸収性とパワー感が特徴で発売開始から爆発的に売れたモデルです。
VCOREPRO100JPは日本人向けにチューニングされた特別モデル。
アストレルシリーズは楽に飛ばすことにコンセプトを置いたラケットになっています。(詳細はこちらの記事をご覧下さい。)
- 2020年発売のPRINCEラケットは?
BEAST98シリーズ、ファントムグラファイト、TOURシリーズが登場しました。
BEAST98は、98平方インチ、300g、320mmというスペックで扱い易さが向上しています。
ファントムグラファイトは昔ながらのオーバーサイズに最新の技術を搭載した、懐かしさと新しさが共存したラケット。
ツアーシリーズは、「飛ぶボックス系」をコンセプトに開発され、パワーとコントロールの両立がなされています。
どれもATSシステムが搭載され、ラケットヘッド部の安定性が高いことが特徴です。
(詳細はこちらの記事をご覧下さい。)
- 2020年発売のBABOLATラケットは?
ピュアアエロVS、ピュアドライブシリーズの新作が登場しました。
ピュアアエロよりも競技志向でコントロール性を向上させたピュアアエロVS。飛びもそこそこあるので、ハードルはそれほど高くありません。
ピュアドライブは面の安定性を高める工夫が施され、より完成度の高いラケットとなりました。
(詳細はこちらの記事をご覧下さい。)