ジョコビッチやマレー、ガスケ選手が使用していることで有名な「ヘッド」。
トッププロの試合を観戦していると、男女問わず多くのトッププロが使用していることがわかります。
私の回りにもHEAD使いが数名いて、その人たちの共通点が、「他のブランドも興味はあるがHEADの打球感が好き」ということを仰っていて、ずっとヘッドを使い続けているということです。
そんな固定ファンの心をつかんで離さない魅力があるヘッドラケットの特徴とラインナップをご紹介していきたいと思います。
ラインナップをインプレとともにご紹介
プレステージシリーズ
ヘッドラケットのフラグシップモデル。
ビッグサーバーや正確なコントロールを信条とするプレーヤーから高い支持を得ています。
薄ラケでラケットのしなりがしっかりと感じられるクラシカルなラケットです。
芯でハードヒットした時の打球感は官能的なものがありますが、アシストは少なく、私の場合試合で使うには厳しいものになっています。
- PRO
- TOUR
- MP
- MP L
「MP(旧Tour)」や「MP L(旧S)」は一般的なアマチュアプレーヤーにとって割りと扱い易いスペックになっています。
過去モデルのインプレは↓です。
ラジカルシリーズ
アガシが使い始めたことで注目を浴び、マレーへ世代交代、さらに直近ではシュワルツマンの印象が強くなってきた伝統あるラケット。
人気を維持して30年目を迎える歴史あるラケットです。
薄めのフレームですが、適度な反発力があり非常に扱い易いラケットです。
最新モデルはボールの乗りが良くなっていて、より扱いやすくなりました。
これといった弱点のない(良い意味で!)、完成度の高いオールマイティなラケットだと思います。
最新作はオーセチックが搭載されスイートエリアが広がったような印象です。
歴代モデルのインプレはこちらです。
エクストリームシリーズ
ヘッドラケットの回転担当、、、でしたが近年はパワー担当に役割が変わってきた印象。
今はベレッティーニが広告塔となっているラケットです。
ぼくと同じ世代はガスケの印象が強いと思います。
デビューしたころは、ワイド(横に幅が広い)形状で、擦るスピンが打ちやすかったのですが、最近形状がワイドでなくなりました。
近代テニスに順応させたことが考えられます。
形状の変化と共に、
- ストリングパターン
- グロメット構造
も改良されて、スピンはもちろんパワーにも趣をおいています。
最新の2022年モデルは爆発的人気を誇った2020年モデルを踏襲し、新たにオーセチックを搭載。
実際に打った感じ、ミートした時のパワー感が良い感じでした。
上位プレーヤーに人気があるのも納得できます。
スピードシリーズ
ジョコビッチがHEADへ契約変更した時に発表されたシリーズで、ジョコビッチの偉業の傍に必ず写っていました。
フレーム厚が均一なフラットビームでコントロール性の高いラケットです。
モデルチェンジを経てフレーム厚が増しています。(最新型は23mm均一)
性格はラジカルに似ていて、オールマイティに使いやすい特徴があります。
打球感が少し柔らかい点がラジカルとの違い。(個人的感想)
最新モデルは「オーセチック 」が搭載されアシスト性に優れたラケットになっています!
インスティンクトシリーズ
ヘッドシリーズの中ではもっともパワーのあるラケットです。
フレーム厚は最大26mmと厚めでボールを楽に飛ばしてくれます。
いわゆる黄金スペックなラケットですが、インスティンクトは他メーカーと比べ、フレームが縦長に設計されていて、弾道が上がりすぎないという特徴があります。
実際打ってみて、コントロールのしやすさが印象的でした。
アシストはあるけどぶっ飛ばない感じです。
グラビティーシリーズ
HEADラケットには珍しくフレーム形状が幅広な作りになっています。
現代のテニスではフェイス上部でインパクトすることが主流になっていて、それに対応させるためにこの形状にしたそうです。
グラフィン360を進化させたグラフィン360+に加え、最新作はオーセチックも搭載され、プレーヤーをアシストしてくれるラケットになっています。
過去モデルの情報・インプレはこちら
MPの方が打球感がしっとりしていて、より「乗る」印象がありました。
BOOMシリーズ
2022年新たにラインナップに加わったBOOMシリーズ。
コンセプトは、
「食いつきのコントロールと反発のパワー」を両立させた革新ラケット
です。
フェース部はラウンド形状でシャフト部はボックス形状という設計になっています。
実際に打った感じ、本当にボックスの打球感と飛びが両立されていて、(中年のおっさん目線で)痒い所に手が届くこれまでにないラケットでした!
ラインナップ別に特徴を比較
以下の評価基準でラインナップの特徴を表してみました。
- 飛び
- 回転
- コントロール
- 操作性
- 振り抜き
各ラインナップの基準モデルで比較します。
HEADラケットの特徴
現在はどのシリーズにも「グラフィン」と呼ばれる、蜂の巣状の薄いシートで柔軟性がありながら強度もある素材が使われています。
この素材を使用することで、
- ラケットの軽量化
- フレームの剛性アップ
- 振動吸収性の向上
が実現されています。
グラフィンについて解説している動画はこちらです。
新型モデルはこのグラフィンがフレームに満遍なく配合されて、より安定感のあるラケットになっています。
しなる感覚が好きな人、弾く感覚が好きな人、引っ掛けて回転をかけたい人、様々なタイプがいますが、それに応じたラインナップが用意されているのも魅力ですね。
また、ヘッド独自のテニスセンサーがあることも大きな特徴の1つです。
このセンサーは、グリップキャップ交換式になっていて、ラケットのバランスを変えずに装着できるんです。
他のセンサーにはない大きなアドバンテージです。
詳細はこちらの記事をご覧ください。
ラケットのパワーとコントロール性を表すCPI
ヘッド独自の指標にCPI(Control Power Index)というものがあります。
こんな感じに記載されていて、数値が少ないほどコントロール寄り(弾きの少ない)モデルになっています。
ヘッドラケットでお悩みの方はこちらの数値が1つのヒントになると思いますので、チェックしてみて下さい。
以下は、2023年3月現在の情報です。
(スマホの方は横スクロールできます)
CPI値▶︎ | 100 | 200 | 300 | 400 | 500 | 600 | 700 | 800 | 900 | 1000 |
プレステージ | PRO | TOUR | MP | MP L | ||||||
グラビティ | PRO | TOUR | MP | MP L | TEAM | TEAM L | ||||
ラジカル | PRO | MP | TEAM | TEAM L | ||||||
スピード | PRO | MP | MP L | TEAM | TEAM L | PWR | ||||
エクストリーム | TOUR | MP | MP L | TEAM | TEAM L | |||||
ブーン | PRO | MP | TEAM | TEAM L |
一般プレイヤーへのおすすめは?
ハードヒットで針の穴を通すコントロール
- プレステージ
しっとりとした打球感と抜群のコントロール性は打ってみたら分かると思います。
また、フルキャップグロメットで振り抜きがめちゃめちゃ良いのも忘れてはならない魅力です。
オールラウンドで綺麗なテニスをしたい方
- ラジカル
- スピード
「フラットドライブ系のストロークで相手を崩してボレーで決める」
という綺麗なプレーを目指す方に向いていると思います。
というのは、両機種とも「適度な飛び」「適度な引っ掛かり」「操作性の良さ」があるので、思った弾道のボールが打ちやすく、展開が作りやすいという特徴があるためです。
私の感覚ではスピードの方が若干柔らかく、マイルドな打球感という印象です。
違いの詳細はこちらの記事で確認できます。
回転&パワー重視
- エクストリーム
回転のかかりやすいグロメットを搭載していて、かつフレームにもパワーがあり、威力のあるショットが打てるラケットです。
回転の効いた「重い球」を打ちたい人におすすめ。
ボールスピードを重視
- インスティンクト
インスティンクトに変更したテニス仲間のボールを受けて感じた印象です⬇️
友人は「インスティンクトS」に変更したのですが、
- 軽さによる振り抜きやすさ
- ラケットの弾きの良さ
でボールの質が上がったように感じました。
ラケオタ的評価
私が実際に打った評価をもとに作成した分布図です。
ヘッドラケットの全機種にラインナップされている「S」スペック。
実際に使って、操作性が良くパワーもあり非常に扱いやすいラケットだと感じています。
「S」スペックの「魅力」や「ターゲット層」をまとめてみました。
まとめ
以上、HEADラケットの特徴とラインナップについてでした。
面安定性の高さを生かしたコントロール性を体感したい方におすすめのブランドです。
ただでさえ豊富なラインナップなのに、さらに新たな機種が投入されますし、好みのラケットが選びやすいのも良いですね。
本記事がラケット選びの参考になれば幸いです。
記事中にラケットに関する専門用語を使いました。
ちょっと何言ってるの?と思った方は用語を以下のページで解説しているので、良ければ読んでみて下さい。
HEAD製品インプレ一覧
HEADラケット Q&A
- HEADラケットでオールラウンドに扱い易いおすすめモデルは?
飛び・操作性のバランスが非常に高い、「ラジカルMP」、すこし柔らかい打球感の「スピードMP」、より飛びを求めるのなら「インスティンクトMP」がおすすめです。
- HEADラケットでスピンのかけやすいおすすめモデルは?
ストリングの目の粗さをスピンに最適化した、「エクストリームMP」や「スピードMP」がおすすめです。
- HEADラケットでハードヒッターにおすすめのモデルは?
クラシカルな打球感が気持ちよい伝統の「プレステージ」シリーズ、最先端の技術を取り入れた「グラビティMP」がおすすめです。
- HEADラケットで初心者にオススメのモデルは?
「ラジカルMP」「スピードMP」「エクストリームMP」「インスティンクトMP」はスペックが近くてどれもバランスが良く扱い易いものになっています。「ラジカルS」「スピードS」も軽量モデルながら打ち負けることがなくパワーに自信がないプレーヤーの強い味方になってくれると思います。
2022年モデルからは上記の4機種展開になっています。
MIDが廃盤となり、名称とスペックの割り当てが変更になりました。